ジャズボーカリストおぬきのりこOfficial Web-Site

皆さん、大変お久しぶりです。

昨今のコロナ禍のおかげで、4月5日のアーティストカフェ以降、お仕事はすべてキャンセルとなっております。こんなにもライブやコンサートから長く遠ざかることはプロ人生で初めてです。
いや、こんなにも予定がなく人と会わない静かな日々を過ごすのは、もしかしたら社会人になってから初めてのことかもしれません。

忙しくしていた頃は、もしも十日間のお休みがあったら、三日間は何もせず、四日目からは今までできないでいることを全てやってやろう！なんて思っていましたが、実際、一カ月以上もお休みが続いてみれば、ほぼ「運動」と「入浴」だけで日々が終わっているという現実。運動をしていながら、大した成果も出せておらず、一カ月の間いったい私は何をしていたのだと膝を落とすのであります。

まぁ、今まで時間がなくて後回しにしていた大掛かりな部屋の掃除についてはだいぶ進捗がありました。トイレもお風呂も、床のタイルも換気扇もガスコンロも、今では新品同様にピカピカです。

ちがうちがう。こんなはずじゃない。

本当は、こんな時だからピアノの練習を血を吐くまでやったり、目の下に隈を作りながら作曲活動をしたり、よだれを垂らしながら小説を書いたり、目が節穴になるまで映画を観たり、そんな今までなかなか手が付けられなかったいろんなことをするはずだったのです。でも私は、血も吐いてなければ目も節穴になっていません。
実は、どれも少しずつ手をつけてはいます。確かにピアノの練習をするとさっきまで清らかな小鳥のさえずりが聞こえていたはずなのに、気が付くと夜更けになっていて、スマホの万歩計が"２３歩"という信じられない数値を叩き出していたりするのです。
その時「いや、もっと充実する一日の過ごし方があるはずだ」と思ってしまうのは、私が欲張りだからなのでしょうか。

コロナ禍も、いずれは収束します。Duke Ellingtonの作品に『Come Sunday』という名曲があります。その歌詞に「神は空に月と太陽をもたらした 私は暗雲立ち込める空を嘆きはしない なぜなら空に浮かぶ雲はいずれ過ぎていくものだからだ」とあります。
永遠に空を曇らす雲などないように、明日には必ず太陽が昇るように、音楽がイントロからエンディングへと奏でられるように、いずれ誰もが健やかに過ごせる日々がそう遠くない未来に訪れます。

その時、また皆さまとお会いできるのが今から楽しみです。

パワーチャージした私の声をぜひ聴きに来てくださいね。
おぬきのりこ

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